Dusted Magazine Reviewed by John Dale
「Five Psychedelic Pieces/UP-TIGHT」

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サイケデリック・ミュージックは、禁止されすぎている単語である。音楽の出音と、いろんなぐったりとする種類の表現から展開されるサイケデリック体験とを正確な瞬間に正しく区別することは困難である。しかし、略語化されたサイケは、サイケデリック・ミュージックの概念としても、サイケデリック体験を引き起こすであろう独特の近道を持っている音楽としても、中間的で意味がない単語になりつつある。サイケ・ポップ、サイケ・ロック、フォーク・サイケ、サイケ・フォーク、あるいは他の組み合わせであろうとも、ほとんどの音楽が、作品を提供することができない。そして、他の多くの別の種類の音楽が、ジャンルの名称を作り上げていくことで、いまだにスリルに満ちた結果をだしているのに対して、ひどいサイケ・アルバムは、単にごちゃごちゃしたフランジャーとディレイが、退屈で、イギリスの私立校の校長のような厳格なパックビートの上を流れていくにすぎない。
もし、どんなアーティストでも、サイケデリック・ミュージックを生きながらえさせようとするのであれば、彼らは、日本のアンダーグランドの絶え間ない変革と発展に関連している。特に大部分の日本のサイケデリック・ロックに同一的なアプローチ、エレクトリック・ギターの長い断片、するどくシフトするリズム、抑圧された破壊的なボーカル等、をとる一方で、アーティスト達は基本的な要素から、いまだに新しい形態を引きづりだすことに成功している。アップタイトは、サイケデリック・ロックの要素に明かりを持ち込もうとしているニューウェープバンドのひとつであり、みみのこと、
LSDマーチと共に最も有力なバンドのひとつである。
アップタイトは、同僚のバンドがアシッドにゆらぐギターやインプロの対話の瞬間に対して構築されたポストヴェルヴェットに対して攻撃するような鋭いアプローチを取っているのに対して、それを避けている。オープニングの
Do The Popは迷路に迷い込んだような体験である。リズムはクラウトロックの終わりのない原動力を呼びかけているが、青木のギターは理論を退けるリードをひき、スケールを上下に動きながら、覚せい剤におかされたうなぎのように別の音域に滑り込んでいく。Five Psyhedelic Piecesは、以前からの、より騒ぎ出すアプローチとをきちんと分けて使っている。尾形と白旗のリズムセクションが青木のギターによって生じた割れ目の間やゆるやかで説明のつかないコードをほぐしていくメランコリックな曲を流れていく。At AM2:00Falling In Loveはとりつかれたようなドローンのうねりの中を漂う。Falling in Loveは、ジョン・ケイルがヴェルヴェットの愛に満ちたサードアルバムに留まっていたら現実となったかもしれないような楽曲である。青木は「君と恋に落ちた」と何度も何度もつぶやいている。それは、まるで、所有欲の強い恋人が至上の愛を無くしてしまったかのようである。
しかし、このレコードのハイライトは、ライブ録音の
Visions Of Key Of Aの終わりに近い部分の空に飛び立つようなギターとドラムのデュオである。青木は、ほとんど、ボウイのWidth of A Circleを連想させるような旋回するリフを弾き、白旗は青木のギターの中にパーカッションを次から次へと爆発させている。この2分間の部分が、真のサイケデリック・ミュージックの目がまわるような効果を捕らえており、アルバムの独断的で愛想のないタイトルを正当化している

訳 Yoshino


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